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2005年01月22日

司馬遼太郎が考えたこと1

司馬遼太郎が考えたこと1を読んだ。最近、とても読み終わりそうもない本2〜3冊に手を出してしまい、そういった本は朝の電車などでもなかなか読む気が起きないので、ちょっと読書が滞り気味だった。そんなとき、駅の本屋でこの本を見かけたので買ってみたのだ。それにしてもつぎからつぎへと司馬本がでてくるなあ。。

これは、司馬遼太郎のエッセイなどを時系列に収録していくというシリーズらしく、なんのテーマも一貫性もないエッセイがひたすらたくさん収録されている。そのテーマのなさがかえって清々しいほどだ(謎)。で、この本は第一巻ともあり、もっとも古い時代の文章群が収録されている。時期的にはまだ彼が新聞記者だった頃のものを含んでいる。

ボクにとって司馬遼太郎がすごいとおもうのは、その文体だ。文章を読んでいてまるでつまずくところがないのだ。そして、スタイルとして結論をまずあげて、その理由を展開していくといった書き方は彼が新聞記者であったことの影響が大きいのかもしれない。エッセイを読むと彼は新聞記者という職業をずいぶん気に入っていたようだ。そんな彼の文体はほとんどこの時期に確立されていたことが驚きだった。

もちろんなんとなく文章のノリがちょっと違っていたりして、商業作家としての模索もかいま見られる。後期と違って、やたらと大阪礼参(罵倒?)な内容がおおいのもおもしろい。そんな違いを楽しみたい司馬マニアは読むべし。。

投稿者 osa : 2005年01月22日 09:37

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